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陶酔いたしました〜舞台「ガラスの仮面」


1976年から現在まで長期連載が続いている「ガラスの仮面」の舞台に、原作者の美内すずえさんの人柄に惹かれて、足を運びました。舞台に陶酔いたしました。

物語は平凡な一人の少女(北島マヤ)が眠れる芝居の才能を開花させ、成長していく過程を描いた作品です。劇の中で劇をするシーンや、劇中で主人公たちが繰り広げる人間関係が交錯して、観ているこちらがのめり込んでしまうのです。

主人公、北島マヤに正体を明かさずに、応援し続け、紫のバラを送り続ける「紫のバラの人」。実際にはいつもけんかばかりをしているふたり。この関係も目がはなせません。「紫のバラの人」を現実に置き換えても、自分のことを、見知らぬ人がいつも見つめて、どこかで応援してくれている。こんなに生きる力になることはないだろうなあ。そして、「紫のバラの人」に大きな憧れを持つでしょう。

演者の皆さん、それぞれに個性があり素敵でした。特に、月影千草役の一路真輝さんの存在感は圧倒的。芝居が終わり、舞台に出てくる姿に、大女優のすごみがありました。丁寧に年を重ねてきた女性が出せる「華」なんだろうなあ。

次作を心待ちしています。


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