米原市お茶の間創造事業
事業スタートの背景:
ひとり暮らしの高齢者が増え、地域のコミュニケーションが少なくなってきた。また、話し相手、買い物等に困っている。自治会役員や民生委員児童員の負担が大きくなった。その一方で意欲と能力のある元気な高齢者の地域を支える側として活躍いただくことが期待される。
事業の準備:
1.住民の声を聞く
市職員が個別訪問し、30分〜1時間、ひとりひとりに聞き取り調査をした。そして、担当課への問い合わせや職員の声をまとめた。
2.ニーズをまとめる
専門性が不要でだれでもお手伝いできること。だから、地域でもできるのではという結果になった。
内容の抜粋:話し相手がほしい。30分みまもりをしてほしい。ごみをだしてほしい。食事をテーブルまで運んでほしい。移動販売にきてほしい。見て選びたいなど。
3.事業の目的として
地域の実情に応じて、自分たちで「できること」と住民に「やってほしいこと」をつなげる
4.13のモデル事業の展開
活動するグループ:自治会型、自治会承認型、独立型(自治会ではなく、NPOような団体)
内容:(病院など)移送支援、除雪支援、盆栽水やり、配食サービス、自主防災、移動販売、介護予防活動、居場所提供など。
5.モデル事業の成果
交流、見守り、情報、生き甲斐、住民の意識変化、活性化、人材発掘等。
6.モデル事業の課題
スタッフの確保、居場所に来ない人への対応、有償ボランティアへの理解、法律等による提供サービスの制限、スタッフ間の相違等。
平成25、26年度のモデル事業をへて、常設制度事業として展開予定。今後は子育て支援事業の展開も視野にしている。補助金はあくまでも初期支援であって、各自治会、団体の自営を視野においている。
平成25年度モデル事業財源:市長報酬の削減分300万円と国費120万円
平成26年度モデル事業財源:市長報酬の削減分300万円と県費480万円
米原市
http://www.city.maibara.lg.jp
感想:
地域住民のニーズを地域住民の力でもって解決をしていく。実際にこのお茶の間創造事業の説明を受けて地域住民の力を活かしていると思った。サービス内容も頻度も考えると、自治会単位で果たして可能なのかと思うくらいにいろいろと展開をしている。地域によっては人数差、また、人をまとめてひっぱっていくリーダーの存在があるかによって内容も変わってくるそうだが、住民が考え、アクションをおこしていっていることに敬意を払いたい。
移送支援を行っている所があるが、これは法的には難しく、現在、陸運局と調整を進めているそうだ。ガソリン代のみで人件費はでていない。車が生活の足となっている場所では、このような移送支援があると、とても助かる事なので、タクシーなど地元の業界と折り合いをつけて進める事ができたら良いと思う。
地域お茶の間創造事業は、今後、地域介護予防、日常生活支援を進めていく展望があり、要支援1・2支援の必要な人たちの対応もできるよう考えている。展開を期待し、富士市でも地域の人たちが笑顔で事業展開ができれば良いと思う。自治会は意見を吸い上げ、まとめることが非常に難しいと感じていたが、これもすべて人ありき。あらためてそう思う事業でした。
文責 山下いづみ
2016年5月11日